赤梅と白梅と黒梅と、幻の烏梅、日本では幻でも中華では現役
【メモ】酸梅湯@点心皇帝
烏梅のお話し
洪媽酸梅湯 |
酸梅湯の主原料は、烏梅(うばい)です。
桂花(クイフア)が有ったら、お客様のお好みでちょっと散らしたりもするのですが、ご免なさい。
桂花はいつも有るとは限りません。
烏梅(うばい)は、野生種の梅の、半熟の実を燻製にした漢方薬です。
完熟の実だと、クエン酸濃度が高すぎて酸っぱ過ぎるんですね。
烏梅の北京語読みが“ウーメイ”だから、梅が“うめ”になったという話しもありますが、眉唾だと思います。
以下の図は、本草綱目の烏梅の記述です。
烏梅のことを“黒梅”ともいうようですが、そんな表記は見かけたことがありませんし、一般の中国人にも通じませんでした。
ただ、梅の実を天日で干して、塩で漬物にしたら、“白梅”。
紫蘇で色付いた、日本の梅干は、“赤梅”。
そのような“色分け”は、有るわけです。
烏梅の効能は、健胃・整腸・駆虫・鎮痛・咳止・抗菌作用といったあたりです。
中華では医食同源食品と位置づけられていますが、実用的には夏バテ予防に用いられます。
妊娠初期のつわり、脂肪分解作用によるメタボ対策ぐらいにはなるでしょうか。
逆に、風引きで発熱、出産前後、腸炎の初期などはタブーです。
烏梅は温性なので、炎症系の疾患とは相性が悪いわけですね。
烏梅は、ですよ。
酸梅湯ごときなら、どんな時に飲んでも、まあどういう事はありません。
今時は健康が利権になっていますから、効き目があるとは書けません。
酸梅湯については、お話しでも述べた様に糖分がいっぱい入ってますから、メタボに効くとは思わないでください。
烏梅(うばい) |
日本でも昔は、烏梅を大量に生産していました。
梅林の多くは、梅干を作るためではなく烏梅を作るためのもので、紅花染めの原料に出荷していたという事です。
7~8年前に調べた時には、まだ、烏梅を作る農家さんが1軒だけ残っていました。
当時参考にさせて頂いた奈良県の月ヶ瀬村梅林の記事のリンクを貼っておきます。
現在は、烏梅の記事が増えていて、地域活性化のツアーまであるみたいでした。
サンケイ新聞の記事でしたが、なんか変なポップみたいのが出たので、リンクはよしておきます。
酸梅湯(サンメイタン)の由来には、乾隆皇帝説と朱元璋説の2通りが有るわけですが。
じゃあ、なぜ、酸梅湯屋さんは朱元璋の肖像画を掲げていたのか?
お話しを書いていて、ふと思いました。
乾隆皇帝が満族で、朱元璋が漢族だったからじゃないですか。
酸梅湯が市中に出回りはじめたのは、人民どもが清朝ぶっ潰した後ですから。
じゃあ、本当はどっちの説が正しいのか?
根拠も自信もありませんが、たぶん、どっちも嘘だと思います。
所詮は、ただの旧(ふる)い都市伝説に過ぎません。
ただ、酸梅湯が皇室御用達の飲料であったのは事実です。
市井に出回り始めたのは、清朝の滅亡前後からでした。
なので、酸梅湯は何処の飲み物かといったら、やはり北京なのですが。
でも、近頃は清涼飲料水に押されて、北京だからといってそこら辺の街角で売ってるわけでもないようです。
やはり、こういう伝統的なものは台湾、という事になってしまいます。
[コマーシャル]
以前は、一壽(いっしゅう)でも、madeinTaiwanの酸梅湯でした。
台湾に、洪媽酸梅湯っていう、酸梅湯のブランドがあります。
でもほら、例の911事件で、入手が厳しくなってしまいました。
水物がなんだか輸入し難くなってしまったのです。
仕方なく、ずっと、粉末を仕入れてクエン酸で調味して半分自家製だったのですが、
この記事をupするにあたって、店長に確認したら、なんと、
また台湾の酸梅湯が入るようになったというのです。
今、まさに発注をかけています。
梅の実の燻製ですからね、ちょっと香ばしい感じで旨いのです。
クエン酸が効いていて、ゴクッとやったら渇きが一発で止まります。
是非、一度おためしください。
まあ喉の渇きを止めるだけなら、盃に一杯の食酢を冷水で薄めて目を瞑ってゴクッとやっても一発で止まります。
熱中症は水分不足になるわけですが、真水だけ飲んでも、飲んだ分だけそのまま汗になって直ぐに出てしまう。
塩分も流失していますから、飲んだ水を体内に保持できないからです。
なので塩分補給もする訳ですが、どうも有機酸も摂取した方が好いように思います。
有機酸といってもそこらに有るのは、酢酸(食酢)、クエン酸、L-アスコルビン酸(ビタミンC)ぐらいしか思いつきませんが。
夏のクソ暑い風呂上りなんか、いくら水を飲んでも足りなくてお腹がたっぽんたっぽんになっちゃいますよね。
そんな時は、台所のお酢を少し飲む、それで結構とまります。
でも、米酢や穀物酢じゃなんだか悔しいので、リンゴ酢の小瓶なんか置いたりしています。
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