2017-07-21

男に与える勿れ(枸杞伝説之下ネタ)

 ガイドさんはとっても美人、濡れた瞳にあらぬ妄想 

 男に与える勿れ 

 (枸杞伝説之下ネタ) 



黄河の水車

中華の北方、黄河の源流。

寧夏(ニンシャー)のどこまでもなだらかに続く大地。

黄土高原と沙漠に挟まれて浮ぶ緑の島。


古くから黄河の水を灌漑して育まれてきました。

それ故、寧夏は「塞上江南」とも称されます。

「塞」とは、言わずと知れた長城のこと。


そして寧夏はシルクロードの大切な中継点でもありました。

シルクロードには幾つもルートがありますが、その陸路の大半は寧夏を通過しました。


そもそも漢字の「河」は、黄河を指す。

(フー)、河水(フーシュイ)、上河(シャンフー)、九河(チュウフー)、大河(ダーフー)、これらは全て「黄河」を指す

(注:同様に、江(チャン)は長江を指します)

黄河こそは中原の母なる河、現在でも黄土高原から流出する土砂の量は、なんと年間16億トン(おいおい)


太古に栄えた黄河流域の古代文明、それを産み育んだ母親が黄河であるならば、その父親は黄土高原。

肥沃な黄河流域の大地の源、それこそが黄土高原なのです。


ここ黄土高原の寧夏は、枸杞(くこ)の原産地。

500年も前から枸杞の栽培と品種改良が続けられて来ました。


 緩やかな傾斜地であるが故の豊かな日照

 適度なアルカリ土壌

 昼夜の寒暖差

 それでいて湿潤な大地


枸杞の生育に、とても適しているのです。


寧夏の枸杞子(くこし)は明代の弘治皇帝の頃から『貢果』とされてきました。

清代の乾隆皇帝の時代に編纂された『中衛県誌』によると、


「寧夏中衛県では枸杞が栽培されており、

 薬用枸杞は全て寧(ねい)の産である」


と、記載されています。

現代でも寧夏中衛県の枸杞子が最上級、寧夏五宝の『紅宝』とは、枸杞子のことなのです。


枸杞園

丘陵に降り立つと、見渡す限り生い茂る枸杞の葉。

その濃緑の海一面に散らばり、輝く紅い真珠。

まだ、可憐な薄紫の花も見て取れます。


枸杞姑娘が鮮やかな手付きで枸杞子を摘み取っていく。

その様子はまるで、紅い雨が紛々と降っているようでした。


「このように、枸杞子は手摘みで採取されてまいります

 枸杞子には時折、黒い斑点が付いていますが

 それは、手摘みの際に小さなキズがついたもので、

 食用に支障はありません」


ガイドさんが、一同を引き連れて園内を案内していきます。


「枸杞子の収穫期は夏から秋にかけての約4ヶ月

 その間、15日おきに収穫されてまいります」


枸杞園のガイドさんは、とっても美人。

枸杞子は女性の美容に大変宜しい。

だから、枸杞園のガイドさんがセクシーで美人なのは当然なのです。


「春には若葉が採取されて、枸杞葉(くこよう)となります

 現代では接木(つぎき)により、

 実を結ばずに枸杞葉を採取する技術も確立されました

 それにより、有効成分の含有量が高い枸杞葉となるのです」


 へー、へー、へー、そーなんだー。


「冬季には根皮が採取されて、地骨皮(じこっぴ)となります

 こうして、枸杞園は1年を通して稼動してまいります」


枸杞の木の前で、ガイドさん。


「枸杞の枝を、『仙人杖』ともいいます

 あの西王母の杖が、実は枸杞の木なのだと申します

 でも、わたくし思いますに、

 きっと、杖の様に堅くなるからで御座いますわね」


 ・・・・・・・えっ?

 何が堅くなるんですか?


枸杞姑娘

真紅の艶々、小さな実に優しく手を添えて、


「枸杞子は『男性の給油所、女性の美容院』などと申します」


 給油所・・・?

 ガソリンスタンドの事ですか?


「男性が食べ過ぎると、女性は大変です

 女性が食べ過ぎると、男性が堪りません」


 え・え・・・それって何のこと・・・まさか?


そこで、元気者の青年が問いかけた。


「じゃぁですね

 男性も女性も食べ過ぎたらですね

 いったい、どーなっちゃうんですか?」


清楚に微笑むガイドさん、女人味の鑑(かがみ)


「それは・・・いけませんわね

 ・・・・ベッドが堪りません


真っ直ぐ見つめる美人のガイドさん。

その濡れた瞳に、あらぬ妄想。

若い青年、アタマの中が吹っ飛んだ。

そこへひとりのオヤジが助け舟。


「へー、そんなに凄いんですか

 なら何故、もっといっぱい植えないんですか?」


ガイドさん、オヤジのそばまで歩み寄り、

息のかかりそうな耳元で、


そんな・・、ダメですわよー・・、

 タネをいっぱい蒔いたりしたら、そんな

 ・・・畑が・・・堪りませんわ


こんどは、オヤジのアタマの中がショート、火花が散って、久しぶりに下の方でナニかが反応。

青年とオヤジは、枸杞子をいっぱい買って帰ることに決めました。



【次のお話し】狗妻子(枸杞伝説) 


ただの、ジョークです。

山芋に同じ笑話があって、たぶんそっちが元ネタです。


蛇足の解説ですが、

少しばかり昔、男が女性とHすることを「畑に種まき」と表現するオヤジ用語がありました。

せっせと女性に奉仕するのは、「畑を耕す」です。


中華での枸杞子の扱いは、まあこんなもの。


 枸杞是男人加油站,女人美容院 


なんて俗な格言もどきのジョークが有る?ようで。


枸杞子が男性の強壮、ED、中折れ、早逝に効く、

という話はとりあえず、有るには有ります。

ですが、女性が発情するなんて話はありません。


 離家千里勿食枸杞 


 家庭を離れる者、枸杞を食す勿(なか)れ。


これは男性向けの警句、というより、男性を送り出す女性向けの警句です。

出張などで家を離れる夫には、枸杞子を与えてはいけません。


枸杞子を食べると、精が溢れる。

受け入れ先が無いところで、そんなコトになったら、

きっと、碌(ろく)でもないことをしでかす。

だから、家を離れる男に、枸杞を与えてはならない。

というワケです。


試してみるのは構いませんが、効かなくても文句は言わないでください。

なにかの一利は有っても、百害は無かろうと思いますし。


枸杞は漢方的には、腎と肝に作用して、ホルモンの分泌を促します。

故に、女性の美容に効果的。

『宗筋』という経絡があって、腎に端を発し体表を巡って、男性はチン○、女性はオッパイを経由して、頭頂に至る。

枸杞子の効果で、チン○は強くなり、オッパイも美しくなる。

なんてよーな解説でした。

詳細は、怪しげな漢方のサイトでも検索してください。

中華の風説は、どこまでも大袈裟になるのです






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