2014-10-13
貴妃が舞う食感
水餃子
北京は緯度的には青森県のあたり。
寒冷なので、昔は稲が育ちませんでした。
そのため、中華の北方では小麦の料理が発達しました。
餃子は立派な主食なので、北京人は餃子が無いと死んでしまいます。
因みに、上海人はワンタンが無いと、死にます。
関東人は関西の焼きそば定食にショックを受けるそうですね。
中国人も日本で、ラーメン+餃子+ライス、全部主食の餃子定食にカルチャーショック。
「おかずはドコ?」。
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楊貴妃は餃子が好きだった。
そんな伝説が有りますが、その餃子は蒸し餃子なので、すみません。
水餃子に「貴妃が舞う」は誇大広告です。
唐代の長安、現代の西安ですが、
長安は、世界屈指の国際都市でした。
ペルシャやインドを始め様々な人種でごったがえす、当時のおそらく世界一の規模の都市。
呪文でロープがするすると空へ延び、術者はロープを昇っていって消えてしまう。
そんなイリュージョンを使う異国の芸人が実際に居たのだと、記録が残っています。
芥川龍之介の杜子春は洛陽なので、長安からは300kmほどこっちにある副都心。
中華には元ネタとなった杜子春伝説が残っていますが、杜子春に荷車いっぱいの金や銀を与えた奇妙な老人。
伝説では道士ですが、その正体はどうやら富豪の異国商人だったようです。
杜子春伝説の元となった事件は、或いは実際に有ったのかもしれません。
ついでに云えば、唐玄宗 - 玄宗皇帝は羅公遠や法善,張果老といった道士や仙人を飼っていました。 張果老 といえば八仙の中でも重鎮ですから大したものです。
果たして唐代に仙人が実在したものかは分かりませんが、異国文化が摺合して成立した奇妙な人物。
そういう者は、実際に居たのでしょう。
唐代ロマン。
大正ロマンや明治剣客浪漫譚に匹敵する、唐代ロマンというのはあるのです。
というわけで、
西安には唐代の舞台を観覧しながら餃子を食べまくる、餃子宴というディナーショウがあります。
そこでは、受付で楊貴妃からサインも貰えるのだということです。