2014-10-13
竹葉の飄香
ちまき
御飯が竹葉で包んであったら、中華ちまき。 なんて言うのですが。
中国,韓国,北朝鮮をはじめ、ベトナム,タイ,マレーシア,シンガポール,フィリピン,インドネシア等々。
チマキは、お米を食べる国の人々、東南アジア全域の、古来伝わるソウルフードです。
だって、なんだか嬉しくなりませんか?
チマキやおにぎりが、竹葉や竹皮で包んであったら。
お米の一番美味しい食べ方は、なんといっても、塩にぎりだと思いますが。
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龍舟 - ペーロン舟もまた東南アジア全域に広まる風俗。
分布が粽子(ちまき)と概ね重なっているようです。
龍は水神ですから、粽子(ちまき)とペーロン、どちらも稲作文化と関係の深いことが覗えます。
粽子といえば端午の節句ですが、五月五日は午月午日。
ちなみに、正午の午時が、最も神効の強い時間帯になります。
端午節の正午に井戸の水を汲んで、頭からかぶる。 そんな風習も台湾方面には未だ残っているようです。
東南アジアでは牛もまた水神なのですが、農耕を司る牛と午(うま)。
姫路の広峰神社にも、農耕神の牛頭馬頭観音が祀られています。
旧暦の端午節。
稲作がこれから始まろうとする時季に食べる粽子(ちまき)は、日本や中国のみならず東南アジア全域の稲作文化の象徴なのです。
旧暦の端午の節句は、ちょうど雨季に入る時節です。
5月は古来、悪月とも毒月ともいいました。
この頃から、疫病や害虫が流行り始めます。
そこで、カラフルなもの、香りの強いもので除疫を祈念する風習が始まりました。
家の門口に菖蒲をさす。
竹葉で包んだチマキを食べる。
手首に花線を巻く。
鯉のぼりの鯉は農耕とはまた別系統だと思うのですが、吹流しは明らかに中華の花線に通じるものがあります。
花線とは、除疫のために手首に巻いた、カラフルな組み紐のことです。
端午の節句は、特別な子供の日という訳ではないのです。
ただ、昔は医療が発達していなかったので子供なんて病気で簡単に死にました。
だから、女子供には特に気を配る。ということはあります。
一壽のチマキは、残念ながら冷凍物です。
すみません。 とても手作りでは間に合いません。
ただ、店長の佳佳(ちゃちゃ)も端午節にはチマキを作る。
端午節前日、旧暦のですが、には水に漬けた餅米を竹葉に詰める。
具材は、杏や豚肉やアンコです。
おいしいですよ。白米のアンコチマキ。
そのまま鍋に放り込んで、夕方ぐらいから水煮。 5~6時間は煮ているようです。
夜中に何度も減った分の水を注ぎ足してます。
翌日の端午節の早朝には、家中に竹葉の香りが漂っている。
なるほど、邪気を払えそうな気がします。
家中の空気が、今は懐かしいようなハレの日の雰囲気に染まります。
出来たチマキはご近所に配ったり、常連さんにプレゼント。
端午節にご来店頂けたら、或いは出会えるかもしれません。
完全手作りの本物の粽に。
去年だったか、店長、端午節の夜に上海へ電話をしていました。
「お父さん。ちまき作ったよー」
「チマキ? なんで?」
「だって端午節よ。お父さんは?」
「作らないよ。このクソ忙しいのに
チマキなら、買ってきて食べる」
・・・・・・・
え
あれれ、伝統と風習を重んじるんじゃなかったの?
元宵節のダンゴにしろ、端午節のチマキにしろ、なんだか店長が最後の伝承者になりそうな気配です。
娘がこの風習を受け継いでくれればいいのですが。。。