四鮮焼き麸
四鮮烤麸だから、ここはやっぱり四鮮焼き麩。
「麩のうま煮」なんて言ったら、お麩だけのスキヤキみたいでマヌケでしょう。
お麩料理なのですが、日本人としては黄花の方にインパクトがあります。
黄花(ホワンフア)はユリの花。
通常は菊のことですが、ここではユリの花の蕾を乾燥した漢方材料を指します。
この料理が他店にもあるものかどうか、
もし有るとしたら、上海料理の蓮(レン)さんぐらいかなと思うのですが、んな高級店行った事もないし・・・。
黄花の漢方材料としての効能は、
止血・消炎・解熱・利尿・鎮静作用。
吐血・血便・不眠・母乳不足に効能。
病後や産後に適宜。
といったところです。
ただ、吐血や下血をしたら黄花を食べる前に、おとなしく病院に行ってくださいね。一応念のため。
黄花は、食品としてはビタミンAの豊富な食材です。
トマトやニンジンの数倍、といっても、ビタミンAは水に溶けないし粉末にもならない。
だから、カロチン - ビタミンA誘導体ですが。
水に溶けて粉末にもなるビタミンは、ビタミンC - L-アスコルビン酸ぐらいでしょうか。
ビタミンBだEだが入った健康食品なんて迂闊に信じないでくださいね。
油に溶かしてマイクロカプセルだったらいけるとは思いますが、すごく高価。
食品に添加して割に合うものじゃありません。
ついでにちょいと、和光純薬のカタログから。 試薬の等級にもよりますが、
ビタミンA酸:
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1g
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¥12000-
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ビタミンB12:
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1g
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¥7000-
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ビタミンE :
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1g
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¥1600-
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ビタミンC :
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25g
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¥1100-
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L-アスコルビン酸の安いこと安いこと。 そこらの清涼飲料水にいっぱい入ってるわけです。
レモン100個分のビタミンCだとか、よくも謳えたものです。
クエン酸もアスコルビン酸もグルタミン酸ソーダも合成で作れるからこそ、安価に入手できるのです。
今時は、クエン酸もアスコルビン酸もすぐそこのスギ薬局で売ってるし、グルタミン酸ソーダ(味の素)はスーパーで売ってる。
ごめんなさい。
お話しが、外れすぎました。
黄花は通常、キクラゲとセットで料理されます。
その昔、上海では お麩の料理が美味しくありませんでした。
味付けしてから焼いた既成の麩しかなかったからですが、お麩料理はもう嫌いな家庭料理の代表選手。
それに業を煮やした功徳林が、「それなら麩は自分で作れ」。
1933年,功徳林素菜館が自社工場で麩を造り、焼いてから味付けして料理を出した。
それ以来、美味しい焼き麩料理が食べられるようになり、上海の郷土料理になっていきました。
功徳林といっても日本ではピンと来ませんが、相当な老舗のお店。
功徳林の月餅なんていったら、もう、贈答用の高級品です。