2017-08-12

異人赤脚張

 仙人から伝授された秘伝、不老丹の製法 

 異人赤脚張  

 (枸杞伝説) 



枸杞子と長生草(枸杞花)

その昔、仙力のやたらと強い変なオヤジが居りました。

ひと呼んで、赤脚の張さん。

「人間の天寿はつくづくと短いものだ」と、張さんは常々考えていました。

そして遂に、猗氏県のとある老人に秘法を伝授して、実験してみる事にしました。


秘法を実行した老人は、100歳になってもなお飛ぶように走れました。

120歳の頃、白髪頭の髪が全て抜け落ちてしまい、こんどは黒髪が生えてきました。

さすがに歯も全て抜けてしまいましたが、こんどは更に頑丈な歯が生えてきました。

しかも、下半身の方面までもが現役でした。


この老人は、その秘法を世に伝えています。

天精草(枸杞葉)

その処方とは、


春に天精草(枸杞葉)

夏に長生草(枸杞花)

秋に枸杞子(クコの実)

冬に地骨皮(枸杞の根皮)を採取する。


地骨皮(枸杞の根皮)

全部一緒に陰干しして、清酒に一晩漬け込む。

天日に49日晒して、日月の精気を取り込む。

製粉して蜜で固めて焼き、小さな団子を作る。


朝夕の食後30分以内に、1個づつ、よく咬んで白湯で服用する。


これ即ち、『不老丹』の製法と用法也。




完璧に枸杞のコマーシャルメッセージを意図した伝説です。

短くて詰まらないお話しですが、このお話しは、後で「李青雲伝説」で使います。

『異人赤脚張』は直訳で「怪人・赤脚の張さん」です。


赤脚は「素足」という意味で、素足がトレードマークの「赤脚仙人」という仙人の伝承が別にあります。

赤脚仙人は、よく人間界に出没して人を助けてくれる(その昔は)ポピュラーな仙人です。

なので「赤脚」ときたら、人民たちにはこの仙人のイメージが思い浮かぶわけですね。


太上老君よろしく炉で仙丹を作るシーン、不老丹を摂取して突っ走る老人の姿。

ちょっと実写版をイメージしてみれば、現代のテレビコマーシャルでも通用しそうです。

大昔から業者さんはこうやって販売促進をやっていたようです。




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