2017-07-19

女人味(クコの実)

 裡なる輝きが溢れ出でて生じる真の女性の美しさ 

 女人味 

 (クコの実のお話しを少々) 


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 疏影横斜心清浅,暗香浮動女人味。 

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女人味(ニーレンウェイ)、それは女性の真の美しさ。

セクシーさの意味合いは、やはり有るでしょう。

母性というニュアンスも有るかもしれません。

しかしそれは、決して美貌ではありえない。

男は、女性の何に惹かれるのか?


 夕凪の浜辺にひとり、太った柴犬を連れて佇む少女

 夏風に揺れる袖口から覘いた、二の腕

 指先を伸ばして少し開いた、

 微かに産毛の立つ、うなじ

 少しだけ開いた、胸元

 優しげな、喉もと

 艶のある、

 結んだ


その肌の質感、その柔らかさと温かみは触れなくても判る。

太った柴犬が頭をもたげて、少女を見遣り、

少女の眼、浪の彼方を看るその前髪の奥の、眼の

映る光景を視たその時、波の音色は消え、

その風象に己も映りたい、感じたとき男は既に、


嗅覚とは別の、肌で感じる匂い。

女人味には、さらに同性からも好感を持たれる種類の要素が加わります。

女性特有の、直感に基づく高度な知性も大切です。


 裡なる輝きが溢れ出でて生ずる美 ─ 女人味 

 そんな女人味の頼りになる味方、それは『クコの実』



 ひょえぇぇぇえ 


はい、胡散臭くなってしまいました。

これは中華の健康食品の広告を真似した冗談のコピーです。

女人味(ニーレンウェイ)”の意味するところは、中文サイトでも色々能書き垂れてましたが、

つまりは「清楚な大和撫子」ってところでしょうか。


中華で女性を褒めるときの用語は、『漂亮(ピャオリャン)』ですが、髪型とか服装とかが整えられた美しさを表します。

美人(メイレン)』も使うのですが、果たして褒め言葉になるかは少々あやしい。

美人(メイレン)は、顔の造作が整っているといった意味合いですが、元来は皇帝の側室を指す用語です。

褒め言葉として使うなら、どうも『佳人(チャーレン)』の方が良さそうです。


日本ではすでに絶滅危惧種となった大和撫子ですが、中華には始めから居なかった。

中華バブルの初期にこんな語が登場して喧伝されましたが、この女人味にかこつけて『クコの実』のコマーシャルメッセージがありました。

『クコの実』で女性はさらに美しくなる、そうです。



本草綱目-枸杞(くこ)

それにしても健康食品系の能書きってば、何でこんなに胡散臭いんでしょ?

『トクホ』とか称する特定保健用食品とかの胡散臭いこと、胡散臭いこと。

何か、利権の臭いがプンプンします。


ちゃんとご飯食べて、運動もして、ちゃんと寝てたら、人間の体は恒常性を保てる。

そんなことは、内心みんな分かってるから胡散臭いんだと思うんですが。

胡散臭い健康食品と胡散臭い法律のコラボでカオス。


酸素水や水素水もなかなかでしたが、このまえ『シリカ水』っての見ちゃいました。

シリカでミネラル補給って、いやそりゃ緑茶は純水よりも適度にシリカの有った方が、でも、だからシリカって、

砂入りの水でミネラル補給するんかい。



というわけで、今回も胡散臭いお話しをどうぞ。


『クコの実伝説』の胡散臭さは、笑えるレベル。

現代日本の科学モドキの健康サプリとだってレベルを争えます。

なにしろ、抜けた永久歯がまた生えてくる、白髪が艶々の黒髪になる、肌がきれいに、おっぱいが大きく、チ○コが強く。


挙句に、長寿になるは仙人になっちゃうわ、どこまでいくねん。

もし本気だったら、景品表示法違反でお巡りさんに捕まっちゃいます。

枸杞子(クコの実)

それらの伝説が成立したのは清代であったはずですが、時代設定は元代や明代あたりです。

果たしてどこまで本気で語ったのか、それとも始めからネタとして楽しんでいたものか、

おそらくは現代と同じく、もともとは枸杞子(くこし)の業者さんのコマーシャルであったろうと思うのです。

枸杞子ははるかな昔から、胡散臭い健康食品としての地位を確立していました。


【注釈】数年前にも日本でクコの実が流行りました。

この記事を初めて書いたのは確か2011年、6年ほども前だったでしょうか。

やたらとアクセスが伸びて、「ありゃ、しまったなあ」と思ったものです。

「神秘的な薬効など無いと、もっとアピールすべきだったか」

それにしても数年前にクコが流行った時は、どういう効能が喧伝されたのでしょうか?


まず『クコの実』に薬効が無いとは申しませんが、神秘的な薬効が有る訳もない。

中華料理においてクコの実は、ネギやショウガとおなじ一種の薬味と考えてください。

葱や生姜にだって薬効ならあります。

風邪をひいたら生姜湯を飲んで暖かくして寝るような感覚で、枸杞子は用いるものです。

スープの上に浮かんでいたらちょっと嬉しいという、そういう代物。


【メモ】

枸杞は、枸杞子(くこし,果実)の他に、枸杞葉(くこよう,葉っぱ)地骨皮(じこっぴ,根皮)も使われます。

古来は花も使いましたが、現代は無いようです。

このうち地骨皮は医薬品なので、処方箋無しに摂取したら薬事法違反です。

枸杞子と枸杞葉は医薬品ではありませんが、枸杞葉はアルカロイドの含有量が高く、私ども素人が迂闊に食べるべきではないでしょう。

枸杞葉は『天精草』ともいって効き目はなかなかのようで、「枸杞葉のお茶」といった製品なら中国には有りますが、日本では見ません。

結局、日本で普通に食べても好いのは、果実の枸杞子だけとなります。

枸杞子の英文名は“Barbary Wolfberry Fruit”「荒野の狼イチゴ」

って、こりゃまたえらい呼ばれよう。

天精草(クコの葉っぱ)

枸杞子の効能は、目の保全です。

視力が落ちたと思ったら、枸杞子を食べると好い。

鼻水が出たらネギラーメンを食べる感覚で。

疲労回復作用もあり、漢方では免疫調整の効能も有りますが、一般的には(中華では)視力の保全のために食べます。


タブーは一応、妊婦さんは食べない法が好い、と日本ではされています

ベタインという月経促進や人工中絶の薬物が検出されたから流産のリスクが有る、ということですが、

地骨皮(じこっぴ)

約0.1%といいますから、薬物としては結構な高濃度ですが、

中毒のリスクを持つという臨床データが有るわけでもありません。


ましてや、枸杞子を大量に食べたら堕胎できる訳でもないし。

中華では体調保全を優先して、枸杞子を食べる妊婦さんは普通に居られます。


一応、タブーは以下の4点。

・風邪引きで発熱中

・炎症を持ってるとき

・胃腸が弱くて下痢ピー

・妊娠中


上3点は中華情報の解説で、妊娠中要注意は日本側の情報です。


後述しますが、普段食用にしている植物には、毒性は普通にあります。

枸杞子の特徴はむしろ、この毒性が小さいことにあると思います。



実は、(数年前に)記事を書くにあたって、

枸杞子を連用してみました。


食べ方はいたって簡単

5~10粒程度を湯のみに入れて、

熱いお湯を注いで、

しばらく待つ。


すると枸杞子が沈んで、黄色いエキスが出ます。

これを呑み、ふやけた枸杞子も一緒に食べちゃいます。

少しほろ甘くて、意外に旨いと思うのですが。


ふやけた枸杞子のブニュブニュ感が嫌な方もよく居られます。

中の粒々のタネも、ちょっと鬱陶しいし。

そんな方は、食べずにお湯を飲むだけでもOKです。

中華では、よく緑茶に浮かべて飲みます。


結果は、個人的な感想ですが、確かに眼に効いたようには思います。

その他の効能については、特に実感はありません。


ただ、実はアトピー持ちなのですが、湿疹が悪化しました。

枸杞子のタンパクにアレルゲンが有った、訳ではないでしょう。

枸杞子は特に温性というわけでもなく、性はむしろ寒(ハン)なのですが。

おそらく、免疫機構にも作用した結果であろうと思います。

なので今は、連用は避けています。



だいたい、野菜やフルーツの多くには何がしの毒性があります。

一般的には、蓚酸(しゅうさん)、ホウーレン草やタケノコのアクですね。

蓚酸は劇物ですが、半数致死量は約20gと高めだから、決して心配は無用です。

ただ、カルシウムをマスク(無効化)しますから、大量摂取は色々と障害を引き起こします。


次によく含まれてるのが、シアン化合物(シアノ基の配糖体)です。

シアンは青酸カリの青酸ですね。

梅,リンゴ,モモなんかが割と含んでいて、青梅を食してはいけない理由がこれです。


左の図は、仕事の合間にちょっと「青梅中シアン含有量の分析」をしてみたものです。

以前にこの記事をUPした時のもので、データが行方不明。

分析データが出てきたら、また改めて記事にしてみますね。

分析法は「ピリジン-ピラゾロン吸光光度法」という、ごく普通の分析法です。

ちょっと予想に反して、タネからはいっぱい出ましたが、果実からは不検出でした。


青酸カリの半数致死量は約200mg、これも毒物としてはそれほど強力ではありません。

化学の学生の間には「青酸カリは甘いらしい」、そんな噂があります。

昔は講義の際に指先にちょっと付けて舐めてみせる、そんな教授も居たそうで、冗談だと思います。

流石にやったことはないし、「嘘だろ苦いだろ」と思うのですが。

(ρRの本業は化学分析なので、シアン化ナトリウムあたりなら普通に扱います)


青酸カリが猛毒になっちゃったのは、昔はそこらの町工場でメッキに使っていて普通に有った。

すると凶悪犯罪が多発して危険視された、ってことです。

例の帝銀事件とか、青酸カリ入り紅茶を使った校長先生毒殺事件(職員の給与を強奪)とか、そんな事件が昭和初期に頻発しました。

ちなみに青酸カリの致死量は、第2次大戦を境に少し下がっています。

きっと731部隊だかドイツの生体実験だかの成果だと思うのですが、それに言及した文書は何故か見かけません。


物騒な話ですが、毒物は自然に存在しています。

シアン化合物なんかは、種子が捕食者に破壊されないための植物の自衛手段と考えられています。


これがまして漢方薬となると、花や葉っぱや根茎も使うからアルカロイド方面の薬物の作用もあり、副作用は必ず考慮しなければなりません

「生薬だから安心」「自然食品だから健康的」だなんて、とんでもないのです。

お薬の用法と用量を守るのは、薬効を確保するためではなく、副作用防止のためです。


ところが、枸杞子(クコの実)の場合は、その手の毒性が極度に少ない。

効く、効かぬは別として、連続して摂取し続けてもOK。

だから、健康人も不健康人も大人も子供も摂取して構わない。

病人は別です。

それなりの効能はやはり有りますから、病院でお薬の処方を受けているような病気をお持ちなら、

やはり、それなりに留意されてください。



(参考)[「健康食品」の素材情報データベース]へのリンク




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