2014-10-13

爆炸 - エビの旨み

爆炸! エビの旨み 一壽 上海特色点心店

 油爆エビの原名はそのまま、油爆蝦
 本来は、川エビの料理です。
 上海あたりは、もろに江南地方のど真ん中で、特に太湖近辺の淡水域魚介類は有名です。



 海の魚介類は海鮮ですが、陸水のは何と呼べばいいのでしょうか。
 川鮮・・・って、変ですよね。

 川蝦、 川蟹、 川魚。
 子供の頃には、それでも、鯉の洗いや泥鰌(どじょう)や手長蝦が普通に食卓にのっていました。
 それが、今ではすっかり姿を消してしまいました。
 有るにはあるが、無闇に高価です。

 一壽の油爆エビも、残念ながら、海のエビを使っています。



 上海のみならず、中華で魚といえば、川魚が主流です。
 海の魚も有るにはあるが、

「上海の新鮮じゃないよー。 食べたくない」

 店長のみならず、ウチに出入りする中国人連中は皆そんなことを言います。
 どうやら、日本の鮮魚の新鮮さは、驚異的なものらしいですね。

 中華の著名な海魚料理は海辺ではなく、山の方。
 中華文明のポイントのひとつは、塩の流通です。 は通常、山で採る。
 塩分の多い温泉を精製して製造していた塩が流通していました。 海水から採る塩は少数派です。

 かつては、奥地の山に塩の流通で大儲けした、とんでもない大富豪が居たのです。
 そういった富豪は財力を活用して、鮮魚を取り寄せていた。
 物流の主力が水運だった頃の御話しです。
 とんでもなく高価な海魚で業者や官僚を接待していました。
 庶民には海の魚は高価という以前に、そもそも入手できなかったのです。

 上海辺りでも刺身が流行しているので、日本のような鮮魚の流通ルートを開発したら大儲けできそうです。
 逆に、日本人が上海方面に旅行したら、川魚料理を食べるべきだと思います。
 桂魚の丸蒸しなどは、意外に臭みもなく淡白な味わいで日本人に合います。

 なにしろ、日本では川魚料理はすっかり、お金持ちのものになってしまいましたもんね。

 
 

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