2014-10-22

百合の花・上海菜


四鮮焼き麸 一壽 上海特色点心店

 四鮮焼き 

 四鮮烤麸だから、ここはやっぱり四鮮焼き麩。
「麩のうま煮」なんて言ったら、お麩だけのスキヤキみたいでマヌケでしょう。
お麩料理なのですが、日本人としては黄花の方にインパクトがあります。


黄花(ホワンフア)はユリの花。
通常は菊のことですが、ここではユリの花の蕾を乾燥した漢方材料を指します。

 この料理が他店にもあるものかどうか、
もし有るとしたら、上海料理の蓮(レン)さんぐらいかなと思うのですが、んな高級店行った事もないし・・・。

 
 黄花の漢方材料としての効能は、
  止血・消炎・解熱・利尿・鎮静作用。
吐血・血便・不眠・母乳不足に効能。
病後や産後に適宜。

 といったところです。
 

 ただ、吐血や下血をしたら黄花を食べる前に、おとなしく病院に行ってくださいね。一応念のため。

 黄花は、食品としてはビタミンAの豊富な食材です。
 トマトやニンジンの数倍、といっても、ビタミンAは水に溶けないし粉末にもならない。
だから、カロチン - ビタミンA誘導体ですが。

 水に溶けて粉末にもなるビタミンは、ビタミンC - L-アスコルビン酸ぐらいでしょうか。

 ビタミンBだEだが入った健康食品なんて迂闊に信じないでくださいね。
油に溶かしてマイクロカプセルだったらいけるとは思いますが、すごく高価。
食品に添加して割に合うものじゃありません。
 

 ついでにちょいと、和光純薬のカタログから。 試薬の等級にもよりますが、 

ビタミンA酸:
1g
¥12000-
ビタミンB12:
1g
¥7000-
ビタミンE :
1g
¥1600-
ビタミンC :
25g
¥1100-

 L-アスコルビン酸の安いこと安いこと。 そこらの清涼飲料水にいっぱい入ってるわけです。
レモン100個分のビタミンCだとか、よくも謳えたものです。
クエン酸もアスコルビン酸もグルタミン酸ソーダも合成で作れるからこそ、安価に入手できるのです。
今時は、クエン酸もアスコルビン酸もすぐそこのスギ薬局で売ってるし、グルタミン酸ソーダ(味の素)はスーパーで売ってる。


 ごめんなさい。

 お話しが、外れすぎました。

 黄花は通常、キクラゲとセットで料理されます。
 その昔、上海では お麩の料理が美味しくありませんでした。
味付けしてから焼いた既成の麩しかなかったからですが、お麩料理はもう嫌いな家庭料理の代表選手。

 それに業を煮やした功徳林が、「それなら麩は自分で作れ」。
1933年,功徳林素菜館が自社工場で麩を造り、焼いてから味付けして料理を出した。

 それ以来、美味しい焼き麩料理が食べられるようになり、上海の郷土料理になっていきました。
 功徳林といっても日本ではピンと来ませんが、相当な老舗のお店。
功徳林の月餅なんていったら、もう、贈答用の高級品です。