【おしらせ】 一壽は当面、お持ち帰りでどうぞ
一壽では、当面、電話で注文をいただいての、お持ち帰りでのご利用をお願いいたします。
店内でご飲食の場合は、おそれいりますが、あらかじめ電話予約をお願いします。
可及的に、同時に対応するお客さまは、一組だけにしたいと考えています。
勝手ながら、どうかよろしくお願い申し上げます。
コロナ禍に寄せて、神医扁鵲のお話し
名医の条件
(神医)
戦国期から秦代にかけての時代のお話しですから、もう2000年以上も前のことになります。
扁鵲(へんじゃく)と呼ばれた名医がありました。
まさかまさかの、「henjyaku[変換]」で一発で打鍵できたのには、実は少し驚いています。
本名は秦緩(チンフアン)、字は越人でしたが、黄帝の時代の神話上の医師に扁鵲という名医があり、秦緩もニックネームで扁鵲と称されていたのでした。
扁鵲は3兄弟の末弟でしたが、その3人ともがそれぞれ人に知られた医者でした。
ある日、魏の文王が扁鵲に訊ねました。
「あなたの家の3兄弟はみな医術の達人ですが、誰が一番に腕が立つのですか?」
扁鵲は即答しました。
「それはもちろん長兄です」
世間一般には、扁鵲が一番の名医ということでしたから、魏文王は訝ってさらに尋ねます。
「それは何故か、ご教示願えますか」
これに応えて、扁鵲はこのように述べました。
「長兄は、病が発現するまえに治してしまうのですよ」
長兄の治病は発病前に終わります。
患者自身には、病の自覚症状すらありません。
そんな初期のステージに、わずかの薬方で病根を絶やしてしまいますから、余人には彼がどんな医術を駆使したものか、見抜くことすらできないのです。
それ故に、他人の評判にはなりませんが、私どもの家中では大変に敬服されているのです。
次兄の治病は発病直後に終わります。
患者がこれからどのような病状を呈することになるか、まだ不確定で患者が苦痛を訴えるその前に、確かな処方で対処してしまいます。
なので郷人には次兄は小病専門のように思われてしまっています。
なのに、私の治病は発病してしまって症状が重篤になってからなのですよ。
患者さんは苦しみ悶えるし、患者さんの家人の方々も気が気でない。
そんな中で、私は経脈に穿刺し、放血し、時には毒を以て毒を制すような処置もします。
最終的には、手術に踏み切って病巣を切除するような真似までやる。
患者さんの家人の方々の目に前でです。
そのため、私が如何にも名医のように喧伝されているようですが、
「さて、一番に下手糞な医者は、私の3兄弟の内の誰なのでしょうね」
2000年も前の時代に、魏文王は、リスクマネージメントの大切さを知ったのでした。
もちろん、一番に好い処方は、初めから病に罹らないようにすることです。
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